スポーツ障害とは、運動することで生じる身体の故障のことです。身体の無理な動きや過度な負担によって打撲、ねんざ、炎症、骨折などが起こります。運動・スポーツで起こるケガは、一回の大きな衝撃によって発症するものと、身体への過度な負荷や身体の間違った使い方によって起こるものがあり、それらのケガを総称して「スポーツ障害」といいます。

代表的なスポーツ障害

スポーツ障害の原因

オーバーユース(over use)
身体の使いすぎのことを指します。
同じ動作を繰り返すことで、筋肉や腱、靭帯などを損傷し痛みが生じてしまいます。
球数の多い投球、過度なランニング、ラケットなどのスイング動作の繰り返しなどが挙げられます。

ミスユース(miss use)
誤ったフォームによる運動を指します。
「投球時に肘が下がっている」「ボールを蹴る時に上肢を使わず下半身だけで蹴る」など、負担のかかるフォームで運動を続けていると、筋肉や関節を損傷しやすくなります。

ディスユース(disuse)
ウォーミングアップやストレッチなどスポーツを行う前の準備運動不足により、急に関節や筋肉に負担が加わることで、筋肉や関節が動きについていくことができず、障害が発生します。

当院のスポーツ障害治療の流れ

1.丁寧な問診と評価

『スポーツを続けながら、痛みを解消したい。』『大会までに痛みをとりたい。』『早く練習に復帰したい。』等、患者さんのご希望や、いつ、どのような状態で痛みがでたのか等詳しく、丁寧に問診をします。その上で理学所見をとり、痛みが出ている原因を特定します。

2.疼痛の原因に応じた施術

まず、疼痛出現組織に対して疼痛の発生を抑える物理療法などの施術を行います。次に疼痛出現組織に負荷をかけてしまう運動学的問題に対して、徒手療法や運動療法などのアプローチを行います。

3.患者さんに合ったセルフケアを提案

できるだけ早く回復させること、再発しにくい身体にするために、スポーツの外傷や不調には日々のセルフケアが重要です。
行うことで疼痛が軽減する効果のあるトレーニングやストレッチを見極め、支障のない範囲で行えるセルフケアを提案・指導いたします。

※通院頻度などは患者さんの目標(試合日程)等で一人一人プランニングします。
当院の治療で効果が認められない場合は、連携させて頂いている専門医のいる整形外科にご紹介します。

当院で行えるスポーツ障害の治療法

RICE療法
整骨院では、スポーツ障害の応急処置として「RICE療法」を用いることが多いです。RICE療法は"Rest"(安静)、"Ice"(冷却)、"Compression"(圧迫)、”Elevation”(挙上)によって症状の悪化を防ぐための応急処置であり、炎症の拡大を防止する役割があります。受傷直後にRICE療法を行うことで、疼痛コントロールを行えると考えられています。近年ではなんでもアイシングを行うのではなく、患者の障害の状態をみて判断する必要性があるというエビデンスもあります。

整復法
脱臼した状態をもとの位置に戻すことを「整復」と言います。都立大スポーツ整骨院では応急処置が必要な場合を除き、専門医のいる整形外科へ紹介させて頂き、正確な診断と治療を行えるようコーディネートします。

固定法
整復した個所を、ギプス・シーネなどと呼ばれる固定材料で動かないようにする事を「固定」と言います。またテーピングなども固定法に含まれます。固定法を用いて患部を一定期間保護することで、治癒を促し早期回復につなげます。

徒手療法
徒手療法は柔道整復師による手技を用いたマッサージのことです。筋間の滑走を改善させたり、神経周囲の軟部組織の動きや循環を良くすることで痛みや動きの範囲を改善させます。

物理療法
物理的なエネルギーによって身体に刺激を与えることで回復を図る施術を物理療法といいます。具体的な療法として、電気療法、光線療法、温熱療法、寒冷療法などがあります。

運動療法
運動療法は、患部や患部外を動かすことで低下した運動機能を改善させ、疼痛原因組織の負担を軽減するとことにより、治癒に導く施術のことです。内容は関節可動域訓練や筋力トレーニング、筋再教育訓練、バランス訓練など多岐にわたります。