股関節インピンジメント症候群(FAI)は、股関節の形態学的な異常が原因で、摩擦や圧迫が股関節内で起こり、それに伴って炎症や痛みが発生する状態を指します。

症状には以下が含まれます:

  1. 痛み: 股関節や鼠径部、腰部に痛みが生じます。特に活動時や長時間の座位の後に痛みが増すことがあります。
  2. 可動域制限: 股関節の可動域が制限され、特に腰を曲げたり、膝を胸に引き寄せたりする動作が難しくなることがあります。
  3. 炎症: 股関節周囲の組織に炎症が生じ、腫れや熱感が感じられることがあります。
  4. 抜け感: 股関節が引っかかる感覚や不安定感があることがあります。
  5. 軟骨損傷: 長期間放置されると、股関節の軟骨に損傷が生じ、進行性の変形が起こる可能性があります。軟骨が損傷していない場合は保存療法や手術での症状改善も可能です。

診断は、症状の詳細な評価と画像検査によって行われます。X線やMRIなどの検査が一般的に使用され、異常な形態や組織の状態を確認します。治療には、物理療法、炎症の制御、運動療法、あるいは手術が含まれることがあります。手術は、特に軽減しない症状がある場合に検討されることがあります。

重要なのは、症状が出た場合に早期に相談し、適切な診断と治療を受けることです。